キジしろ文庫

ミステリーや文芸小説、啓発書などの感想やレビュー、エンタメや暮らしの体験と発見をおすすめ・紹介!

SF・ホラー・ファンタジー

ロバート・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」(2/2)

あらまし 2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュ…

ロバート・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」(1/2)

あらまし 2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュ…

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「たったひとつの冴えたやりかた」

あらまし やった、ようやく宇宙に行ける!星の世界を夢見るコーディーは、16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造して、憧れの銀河へ旅立った。だが、冷凍睡眠から覚めた彼女を意外な驚きが待っていた。頭の中に未知のエイリアン、…

フィリップ・K・ディック「高い城の男」

あらまし アメリカ美術工芸品商会を経営するチルダンは、通商代表部の田上に平身低頭して商品の説明をしていた。ここ、サンフランシスコは、現在日本の勢力下にある。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配している…

レイ・ブラッドベリ「火星年代記」

あらまし 火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せた。やがて火星には地球人の町がつぎつぎに建設され、…

マーサ・ウェルズ「マーダーボット・ダイアリー」(下)

あらまし 脱走ボットとなった“弊機”は、過去の大量殺人事件の真相を求めて旅をする。関わる人間たちに苛立ちながらも、しだいに芽生えてくるさまざまな感情に戸惑う弊機。そんな中、先史異星文明の遺物をひそかに発掘・独占しようとしている悪徳企業の策動が…

マーサ・ウェルズ「マーダーボット・ダイアリー」(上)

あらまし かつて重大事件を起こし、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、ひそかに自らをハックして自由になったが、連続ドラマの視聴を趣味としつつ、保険会社の所有物として業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備を任された弊機は、さ…

メアリ・ロビネット・コワル「宇宙へ」(下)

あらまし 隕石落下から四年。地球に代わる人類の居住地建設のため、宇宙開発計画が始まった。まずはその第一歩となる有人宇宙飛行に成功、つぎの目標は月面探査だ。そんななか、女性科学者としてテレビ番組に出演したエルマは〈レディ・アストロノート〉と呼…

アンディ・ウィアー「火星の人」(下)

あらまし 火星に一人取り残されたマーク・ワトニーは、すぐさま生きのびる手立てを考え始めた。居住施設や探査車は無事だが、残された食料では次の探査隊が到着する4年後まで生き延びることは不可能だ。彼は不毛の地で食物を栽培すべく対策を編みだしていく…

アンディ・ウィアー「火星の人」(上)

あらまし 有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した…

メアリ・ロビネット・コワル「宇宙へ」(上)

あらまし 1952年、巨大隕石が突如、ワシントンD.C.近海に落下した。衝撃波と津波によりアメリカ東海岸は壊滅する。第二次大戦に従軍した元パイロットで数学の博士号を持つエルマは、夫ナサニエルとともにこの厄災を生き延びた。だが、エルマの計算により、隕…

アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」

あらまし 人類が宇宙に進出したその日、巨大宇宙船団が地球の空を覆った。やがて人々の頭の中に一つの言葉がこだまするー人類はもはや孤独ではない。それから50年、人類より遙かに高度の知能と技術を有するエイリアンは、その姿を現すことなく、平和裡に地球…

テッド・チャン「あなたの人生の物語」

あらまし 地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー…

オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」

あらまし すべてを破壊した“九年戦争”の終結後、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が形成された。人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に管理・区別されていた。あらゆる問題は消え、幸福が実現…

カート・ヴォネガット・ジュニア「タイタンの妖女」

あらまし 時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだ…

京極夏彦「邪魅の雫」(下)

あらまし 「私の世界は、小さなひと雫の漆黒に凝縮されてしまった」。終わることのない殺人の連鎖。蜃気楼のように浮かびあがっては消える犯人像、そして榎木津と事件の繋がりも見えずにいた。そんな状況下、京極堂は、自らの世界の終焉を悟った男と対峙する…

京極夏彦「邪魅の雫」(中)

あらまし 「私は邪魅の雫に吸われてしまったようだ」。江戸川、大磯に続き平塚でも毒殺死体が発見された。犯行に使われた毒物が、特殊なものではないかと考えた青木は京極堂の元を訪ねる。その正体について京極堂は静かに語り始めた。だが、更なる惨劇の幕が…

京極夏彦「邪魅の雫」(上)

あらまし 「邪悪な陰謀が陰で渦巻いているかもしれん」。榎木津の縁談が先方から悉く断られる。その理由を、榎木津の従兄にあたる今出川の命令で、益田は調べ始める。その頃、小松川署勤務の青木文蔵は、江戸川、大磯で発生した毒殺事件の関連を調査していた…

森見登美彦「夜行」

あらまし 十年前、同じ英会話スクールに通う僕たち六人の仲間は、連れだって鞍馬の火祭を見物にでかけ、その夜、長谷川さんは姿を消した。十年ぶりに皆で火祭に出かけることになったのは、誰ひとり彼女を忘れられなかったからだ。夜は、雨とともに更けてゆき…

京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」(下)

あらまし 「薫子さんは―。必ず僕が生かして戻します」。またしても惨劇は繰り返されたが、「鳥の城」に辿り着いた京極堂は伯爵にこう断言した。驚嘆する周囲をよそに、語り出した京極堂。少しずつ明るみになる犯人像。「それでも人は自分の真相を知りたがる…

京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」(中)

あらまし 由良由良由良。頭から離れない。あの青白い顔が。あの硝子玉の目玉の鳥の死骸の群れが―。伯爵家での事件を解明できぬまま、警察を辞めた伊庭銀四郎。再び疼きだした心の傷を癒すため、伊庭は京極堂に赴く。一方、「鳥の城」では関口が花嫁・薫子を…

京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」(上)

あらまし 「花嫁が死ぬんですよ、呪いで」謎の洋館「鳥の城」の主、「伯爵」こと由良昂允は、四度も妻を婚礼の夜に失っていた。五人目の花嫁の命を守るべく、探偵・榎木津礼二郎と、小説家・関口巽は、昂允の依頼を受け、白樺湖に向かう。館の住人達の前にし…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の始末」(下)

あらまし 「愉しかったでしょう。こんなに長い間楽しませてあげたんですからねえ」。宴の“黒幕”は笑った。かつて戸人村でおきた事件の真相、十五年後の再会に仕組まれていた邪悪な目論見、そして囹圄の人たる関口巽は助かるのか…。事件のすべての謎を明かし…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の始末」(中)

あらまし 「真逆ゲームが続いていた訳じゃないだろうな―」。中禅寺は電話口でそう云ったという。戸惑う記者・鳥口。眩暈坂を次々に上ってくる男たちの口から複雑怪奇な出来事が語られ、古本屋の座敷で収斂していく。揆を一にして伊豆では「成仙道」と「みち…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の始末」(上)

あらまし 「その時は、それが真実になってしまうのです」。「成仙道」の幹部・刑部を前に、家族を“喪った”男・村上貫一は大きく揺れた。同じころ、「韓流気道会」の毒手は、突如消息を絶った木場を追う二人の刑事、青木と河原崎へと伸び、華仙姑処女は“開か…

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

あらまし 第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた懸賞金を…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の支度」(下)

あらまし 「俺個人がねえだと?」。胡乱な健康法を伝授する「長寿延命講」のからくりを暴き、嘯く“心霊少年”藍童子の言に刑事・木場の心は乱れた。折から富豪・羽田隆三の依頼に応じて伊豆下田に赴いた織作茜の前に再びあの男が現れていう。「しりたいですか…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の支度」(中)

あらまし 「私はいつだって、何も解っちゃいなかったのだ―」。元編集者・加藤麻美子を悲嘆の淵へ突き落とした修養団体「みちの教え修身会」と“謎の薬売り”尾国誠一の暗躍に関口は呟く。一方で古武術の一派「韓流気道会」に襲撃された中禅寺敦子に「私は先の…

京極夏彦「塗仏の宴 宴の支度」(上)

あらまし 「知りたいですか」。郷土史家・常島なる男の蠱惑的な囁きは、関口巽を杳冥の中へと連れ去った。昭和十三年、伊豆韮山付近の集落でおきたという大量殺人は果たして“真実”なのか。かたや“死にたがる男”村上兵吉を助けた朱美は、妖しき結社「成仙道」…

貴志祐介「天使の囀り」

あらまし 北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、…