キジしろ文庫

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アイザック・アシモフ「ファウンデーションの彼方へ〈上〉 ―銀河帝国興亡史〈4〉」

あらまし

 設立から五百年、第一ファウンデーションは今、その力の絶頂にあった。野蛮な状態に逆行した周辺惑星を併合し、死にかけた帝国や恐るべき超能力を持つミュールや謎に包まれた第二ファウンデーションをも打ち負かし…天才科学者セルダンがうち立てた第二帝国建設のプランは、順調に進行しているかに見えた。だが、それを信じない人物がただ一人いたのだ!全世界のファンから絶大な支持を受ける巨匠の傑作シリーズ第四弾。(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:★★★星3 

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

(1)テクノロジーの第一ファウンデーション

・ターミナス市議のゴラン・トレヴィズは、セルダン・プランのあまりの正確な分析に対し、直観的に、その実在に疑義を持ったことから、ブラノ市長によって、計画的に、反逆罪で告発されます。

トレヴィズは、第二ファウンデーションは滅ぼされてなく、支配と操作を続けているがゆえに、セルダン・プランが軌道にのっており、その陰謀と第二帝国建国時の支配に不安や脅威を感じています。ブラノ市長は、その存在の秘密が必要であるがために、トレヴィズによる第二ファウンデーションからの注意を引かせないよう、その危険性から拘束を行い、第二ファウンデーションの存在を究明するよう、追い込みます(強制追放。しかし、ブラノ市長の狙いは、トレヴィズに注意を向けた第二ファウンデーションの尻尾を掴み、対策を講じること。さらに、思考反応コンピュータや精神遮蔽技術などのテクノロジーの進歩によって、セルダン・プランは役に立たないとも考えている)。

・ブラノ市長は、その目的を隠すために、トレヴィズに、歴史学者ペロラットを同行させます。ペロラットの目的は、人類の起源「地球」の探索です。また、市長のスパイのコンパ―(母親がシリウス星区出身)を強制し、その尾行につけます。

トレヴィズは、「銀河系の反対側の端」にある第二ファウンデーションとは、時間的に最も古い世界である地球にあると考え、1日の時転と1年の公転と巨大な衛星をもつガイアのあるセイシェル星区を目指します。

(2)精神作用力の第二ファウンデーション

・第一発言者のシャンデスを訪れた、ジェンディバルは、逸脱なく進むセルダン・プランが個々人や小集団(第三の力の存在)によってコントロールされていることを分析し、これにより、第二帝国建国時に第二ファウンデーションにとっての脅威・危機であることから、その操作によるものと考えられるトレヴィズらの動向調査を要請します。

・しかしながら、ジェンディバルは、その阻止のための外部の精神からの影響のあったことから、トランター農夫たちからからまれるといった、発言者会議出席への妨害工作を受けたため、反りの合わない勝気で権力志向のデラーミら発言者会議を告発し、精神分析を求めたことから、会議は休会してしまいます。

・そこで、デラーミは、ジェンディバルを発言者不適格として弾劾裁判を起こします。ジェンディバルは、聴聞に際し、外部からの作用力によって、トランターの図書館にはトレヴィズらの向かった地球に関する文献が隠されてしまっていること、からまれたところを救ってくれたノヴィの精神繊維に異常のあることを示します。これにより、ジェンディバルは、発言者会議を疑ったことを謝罪し、また、デラーミも弾劾を取り下げます。

・ここで、やっと、トレヴィズらの調査の必要が確認されたわけですが、しぶといデラーミは、引っ込みのつかないジェンディバルを調査(追放)の適任であることを述べ、形成を逆転させます。さらに、イニシアティブを取ろうとして、任務を隠すための同行者としてノヴィを提案しますが、ジェンディバルは、受け流したことで、会議を仕切りました。

(2021.03)

では、また!