キジしろ文庫

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森博嗣「天空の矢はどこへ?」

あらまし

 カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:★★★★★星5

 人工知能やウォーカロンの実用上の進歩が想像以上に著しい。他方、人間は、束縛の多い実体のある躰の放棄によって知性として生きることが示唆されている。

 ところで、ウグイ、ハギリの苦渋の判断と、サリノの人間とも見分けのつかない果敢な決意のもと、危険な宇宙任務が実行される。人工知能カンナとの再会と別れあり、絶体絶命の危機をハギリ、トランスファらとともに乗りきり、帰還するなどのいちれんの各者の姿はまったくの感動、これが近未来を築く社会のかたちだとも感じた。(2019.11)  

では、また!