キジしろ文庫

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ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」

あらまし

 たんぽぽ色の髪が風に舞う、未来から来た女はいった。「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」…SF作家ロバート・F・ヤングは、生涯で約二百作の短編を遺した。その魅力を日本で初めて紹介した名訳者・伊藤典夫の編集でおくる、甘く切なく美しいヤング傑作選。永遠の名作「たんぽぽ娘」改訳決定版の他、全十三編。(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1 

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 本書は、SFとファンタジーを背景にした、主に「女の子」が登場し、「ボーイ・ミーツ・ガール」となるなどの13の短編集です。読み語れるほどの見識や力を持ち合わせておりません。

 さて、以下は、的を外した簡単なとりまとめです、参考まで。

1 特急列車がおくれた日

 模型鉄道員の片思い。

2 河を下る旅

 ほぼ同時にご近所で自殺した男女が三途の河を下るなか、身の上話しをするうちに気心も通じるようになり、やり直しをしようと、ともに思い直し、先に現実に引き戻った男性が女性の元にかけつけ、女性の息を吹き返させる。

3 エミリーと不滅の詩人たち

 詩を朗唱するアンドロイドの詩人たちを愛しむ、女性補助学芸員が、スクラップ行きになるアンドロイドを、車の運転席に乗せる機転を利かせることで再帰させ、ともに過ごせることとなる。

4 神風

 特攻カミカゼの主人公が、選択の余地がない死を前に、実体化する女性生物爆弾との間で生まれた、素直さに立ち戻るなか、女性司令官に見せる最期の反抗。 

5 たんぽぽ娘

 未来からやってきた女性が主人公やその時代を好きになり、未来を捨てて、さらに過去に溯って、主人公の元を訪れ、その恋愛と結婚を成就する。

6 荒寥の地より

 子供の頃に、共に暮らした渡りの労働者は、タイムトラベラーゆえに持ち帰れない想い出の品々を、大事に残していた。

7 主従問題

 素直になれず意地を張っていた男女が結ばれ、魅惑溢れるユートピアの住人となったのは、異星犬が住むユートピアでの庭の手入れなどの使用人としての必要があたったため、その仲をとりもったことによる。

8 第一次火星ミッション

 子供時代に友人と空想したの火星探査の幻影を、宇宙飛行士となって現実となって見ることができた。

9 失われし時のかたみ

 最期に、一生を走馬燈のようにして他人から見せてもらっても、主人公は、他人の視線や評価ばかりを気にして生きてきたことから、ほんとうの自分の人生を歩まなかったことすらも、わかることができない。

10 最後の地球人、愛を求めて彷徨す

 エイリアン侵略妄想といった受け身意識が強く、人生を味わうことなく過ごしてきた主人公が、犬の目を見てから、やっと女性を求めることができるようになる。

11 11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス

 過去再建部隊である主人公が、時間旅行中のガス欠のため、立ち寄った補給所では、そのスイッチをさわったことで、いばら姫たちの時が止まってしまっていた。が、主人公の操作によって、いばら姫は目覚め、王子としてともに暮らすことになった。

12 スターファインダー

 天使の巨大な性欲を鎮めるためにあった主人公は、その束縛を自ら解き、改装中の宇宙クジラとともに自由を得る。

13 ジュンヌの弓

 銀河連邦からの迫害を受けた精神現象主義者はその逃走後、超精神存在となって自爆攻撃を行い、銀河連邦の旗艦を壊滅させ、さらに残された弓矢を使って、創立者を復活する。なお、銀河連邦は、反逆の象徴ともなりかねない、ジャンヌに対して、気心の合う隊員を送り込み、その身柄をおさえようとしたことが、アダとなったもの。

(2021.06)

CM 

 最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。

では、また!