キジしろ文庫

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貴志祐介「新世界より」(中)

あらまし

 町の外に出てはならない―禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 2/3分割なので、以下、備忘録程度に記します。

 町に戻ってきた少年少女たちは、悪鬼(生まれつきの攻撃抑制と愧死機構に欠陥があり、殺戮と破壊を際限なく続ける)と業魔(無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起こり、周囲に破壊的影響や異形化を起こす)を恐れるがために(安定と秩序の維持)、常に監視をし、問題のある可能性の人間を処分する、町の倫理委員会から、記憶を操作され失ってしまいます。

 他方、主人公の少女が、想いを寄せていた少年が、療養(業魔化)に入り不浄猫が向けられ、ついには大地に飲み込まれてしまいます。また、不浄猫に追われ、家出をした少年と彼を想う少女を捜索するも、町外逃避行を願う置手紙を発見するのみで、次々と友人を失っていきます。なお、その手助けを頼んだ塩屋虻コロニーでは、女王政を打破した民主化が進むさまを見せつけられてしまいます。(2020.04) 

では、また!