キジしろ文庫

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福岡伸一「生物と無生物のあいだ」

あらまし

第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク

第2章 アンサング・ヒーロー

第3章 フォー・レター・ワード

第4章 シャルガフのパズル

第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ

第6章 ダークサイド・オブ・DNA

第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ

第8章 原子が秩序を生み出すとき

第9章 動的平衡とは何か

第10章 タンパク質のかすかな口づけ

第11章 内部の内部は外部である

第12章 細胞膜のダイナミズム

第13章 膜にかたちを与えるもの

第14章 数・タイミング・ノックアウト

第15章 時間という名の解けない折り紙 (新書本目次より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 2020年も既に半年が過ぎ、南半球へと新型コロナウィルスが世界に蔓延する一方、ワクチン開発の不透明、依然として、外出自粛後での、手洗い・マスク・消毒・換気・ソーシャルディスタンスなど個人任せの対策が引き続くなか、分子生物学による数々の発見、急速な進歩とその貢献などに、驚かされました。たとえば、PCRの仕組みをはじめ、恐らく平易に記述しあったろう内容には、触発を受けることもあり、以下の参考など、現状の確認と今後のキッカケになる良い本だと思いました。

(参考)ウィルスは、核酸(DNAやRNA)をタンパク質で包んだだけの構造で、自己での複製・エネルギー生産・代謝など生体活動は一切しない。しかし、ウィルスは、宿主となる細胞の表面に付着し、細胞は外部と行う物質のやりとりの一部としてウィルスを取り込む。その後、宿主の細胞の複製能力による核酸生産、タンパク質合成能力によるウィルスのタンパク質合成と、その集合によって再びウィルスとなり、細胞膜等を破壊して細胞外へ出る。ウィルスに乗っ取られた細胞は癌化するか死んでしまう。※研究.net 研究用語辞典 ウィルス を参照。

 以下、気になったところをテイクノートしました。

・生命とは、DNAの二重らせん構造によって互いに相補的に、安定的に遺伝子を複製しあうことで、永続的に自らのコピーを生み出す、自己複製するシステムである(≒生きているとは、分子レベルでは高速で入れ替わる「流れ」であり、生命体は、たまたま密度が高まった分子の「淀み」でしかない)。

・生化学的解析に必要な、DNAの量確保のために、それまで大腸菌を使っていた。PCRマシンは、ポリメラーゼを入れて温度の上げ下げをすることで、DNAの連鎖反応を繰り返させ、数時間で複製・増幅させてしまう画期的なものである。(2020.07) 

では、また!