キジしろ文庫

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リチャード・モーガン「オルタード・カーボン」(上)

あらまし

 27世紀。人類は銀河系の惑星に散らばり、国連の専制支配下にある。魂はデジタル化され、小さなメモリー・スタックに記録されて肉体に埋め込まれている。外側の肉体を乗り換えていけば、永遠の生命を得られるのだ。フィリップ・K・ディック賞受賞、SFハードボイルド・ミステリの傑作が、ついに文庫化。(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1 

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 1/2です。世界観を上手に作っているとは思いますが、ハードボイルド?だから?感情の起伏が少なく単調、似たような展開も多く、関係の有無が不明なとらえどころがないところが延々と続くと感じてしまい、やや飽きてしまいます。下巻を続けるかはビミョーです。

第1章 コヴァッチは、保管刑となったハーランズ・ワールドから地球へデジタル人間移送され、ニューラケム(超神経化学物質)で強化されたスリーヴを身に付け、仮釈放される。身元引受人は、富と権力をもち、警察からは傲慢だと憎まれているバンクロフト。

第2章 コヴァッチは、バンクロフトを自殺と処理したベイ・シティ警察のオルテガが同行し、保管施設にいるカトリック信徒(事件の証人)を召喚しようとする、653号判決反対(既に死に神の手の中にあると主張)集会にでくわす。ここで、レイリーン・カワハラの紹介による、刑期無効と引き換えに、6週間の他殺犯調査の依頼が明らかになる。

第3章 バンクロフトとその夫人と対面。バンクロフトの死は、金庫の中の銃で頭を撃たれたため、自殺か夫人によるものと思われるが、メモリー・スタックのバックアップや替えのクローンを所有する不死の保証があるため自殺は無意味であること、死後TELをかけていること、データ更新の48時間は記憶がないことを明かされる。

第4章 ティーンエイジャーの11番目の身体をまとった夫人は、一人寝ていたと主張。

第5章 AIによるホテルにて、コヴァッチと呼んだ殺しのプロに拉致されそうなところを、ホテルの自動砲撃により救われる。

第6章 オルテガによる現場検分。砲撃されたカドミンとそのコピー人間のスタックを取り出し、拘置所にダウンロードする。コヴァッチは、オルテガに、差し向けた何者かの存在など他殺を問うが、相手にしなかったものの、レイラ・ビギンというヒントをくれた。

第7章 弁護士プレスコットから、バンクロフトは、娼婦レイラ・ビギンのお客であり妊娠もしていた。しかし、婦人の暴行による流産の後、全てを買収で片付けた。

第8章 弁護士のファイルから、娘の死に恨みを持つエリザベスの父と対面。妻の個人情報ハッキングの罪による保管刑の際に、買い取らてしまった身体を取り戻そうと、娘がバンクロフトも訪れる娼館で働き、殺されたというもの。

第9章 レイラ・ビギン=エリザベス。娼館の友人を訪ね、エリザベスの客をさらに調べることを依頼する。闇商売人のモンゴル人らに襲われ、警察が介入するも、モンゴル人は逃亡。

第10章 オルテガは尾けていた。ホテルに戻ると婦人が訪れ、双方の欲望を満足させる。

第11章 銃を買う。

第12章 再度、娼館へ行く。しかし、モンゴル人及び店長らによって、エリザベスの友人は殺され、コヴァッチはライカーと呼ばれ病院に拉致される。

第13章 VR拷問。ライカーではない人間とは、係わろうとしないと、その拉致仲間に言われる。

第14章 解放時に拉致仲間の一部を撃退する。

第15章 娼館と病院への拉致のお礼参り。ライカーとは、オルテガの恋人でスリーブ・ディーラー2名のR・D(真の死)をし、目撃者2名をカトリックに見せかけよとして失敗し、保管刑となったことを聞き出す。ちなみに、ライカーはモンゴル人を痛めつけていた。

第16章 バンクロフトと対面。お礼参りの件をもみ消したこと、警察の関心を向けるためライカーのスリーヴを選んだこと、エリザベスの父は事件に無関係であることがわかり、653号判決に係る判事のネイラン、人権委員会のジョセフ、マルコ・カワハラとも対面。

第17章 警察にてカドミンへのVR尋問。しかし、依頼者を明かさず。

第18章 カドミンの弁護士ラザフォードと対面。盗聴器をしかけ、格闘技場とバンクロフトへ連絡したことがわかる。

第19章 格闘用スリーヴをカーネージによって見る。

第20章 ロドリゴ・バウティスタ部長刑事と対面。スリーヴの闇取引から上層部の恨みを買ったライカーは、罠にはめられたようだった(クリニックに踏み込んだとき、既に2人の死亡とカトリック偽装)とのこと。

その他 イネニン大虐殺で、戦友のジミー・デ・ソトは、ウィルスによる汚染データとして保管。

 (2020.11)

では、また!