マイケル・クライトン「アンドロメダ病原体」
あらまし
事件はアリゾナ州の小さな町、人口48人のピードモントで起きた。町の住人が一夜で全滅したのだ。軍の人工衛星が町の郊外に墜落した直後のことだった。事態を重視した司令官は直ちにワイルドファイア警報の発令を要請する。宇宙からの病原体の侵入――人類絶滅の危機にもつながりかねない事件に、招集された四人の科学者たちの苦闘が始まる。戦慄の五日間を描き、著者を一躍ベストセラー作家の座に押し上げた記念碑的名作(文庫本裏表紙より)
よみおえて、おもうこと
雑感・私見レビュー:★星1
《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》
読み終えても、特段の感慨を持てない本書でした。以下は簡単なとりまとめです、参考まで。
①アメリカで行っていた大気圏外生物収集による、生物兵器開発のために打ち上げられた衛星が軌道を外れ、地上へ到達。
②地元住民が衛星のカプセルをこじ開けたことから、感染が始まる。
③被害は住民48名、カプセル回収の米兵2名、通りがかりのハイウェイ・パトロール員及び訓練中のファントム機パイロット。パイロットを除き、いずれも血液凝固により数秒で死亡。住民の中には発狂後の死亡も散見された。ファントム機は機材プラスチックの溶解が原因で墜落したもの。
④生存者は、当該住民の服薬中の老人と泣き喚く赤ん坊。
⑤ワイルドファイア警報が発令。このような地球外生物による汚染防止や保護のために準備されていた研究所にて、カプセルに付着していた緑色の斑点と細岩細片について各種分析や問診、調査などが開始。
⑥分析結果は、死因は、細胞サイズの病原体が、空気感染によって、適度なPH値の血中である肺や脳にて血液を凝固させることによるもの(④はこのPH外だった)。当該病原体は、老廃物を出さず培養も不要で、不可逆的に成長しており、しかも、変異を行い、その変異後は人体には無害(③のプラスチック溶解)。
⑦この最中に、当該研究所でも③同様にして、汚染事故が発生したことから、自動核自爆装置がONとなる。
主人公たちは、汚染した研究員の救命にあたりながら(⑥により解決)、さらに病原体には、物質をエネルギーに転化させる特性(濃縮・重合?)もあることが判明するなか、この生物に対して核爆発を起こせば、計り知れない危機を招きかねないところ、なんとかOFFキーを差し込むことで、絶体絶命を回避する。なお、アンドロメダ菌株は行方知れずです。
(2021.06)
CM
最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。