ヘミングウェイ「老人と海」
あらまし
数カ月続く不漁のために周囲から同情の視線を向けられながら、独りで舟を出し、獲物がかかるのを待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、三日にわたる壮絶な闘いが始まる…。決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描く、ヘミングウェイ文学の最高傑作。(文庫本裏表紙より)
よみおえて、おもうこと
雑感・私見レビュー:★星1
《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》
以下は、備忘のための簡単なとりまとめです、参考まで。
不漁続きだった、キューバの老漁師サンチャゴがひとり小舟で漁に出ます。そして、沖合で巨大カジキに出会います。ロープを肩に廻しながら、手を攣り・ケガをし、わずかの睡眠と水や釣った魚を食べ、2日間も船がひきずられながらも屈することなく立ち向かい、最後は銛で仕留めます。
また、帰港中の丸一日は、次々と鮫が襲い掛かりますが果敢に倒します。そして、老人は、鮫に食い尽くされてしまって頭と骨だけになったカジキとともに帰ってきました。老人は、疲労困憊とこの無残な結末に、空しさ・哀しさ、恨めしさをも感じます。
そこへ、小さいころから漁を共にしていたマノーリン少年が老人の行方の心配をし、暖かく迎えその面倒をみました。そして、まだまだ漁を教えてもらいたいと願います。また、老人の方も、この漁を一緒にできなかった少年のことを、この間には何度も思い浮かべていました。
このように、大自然のもつ厳しさや無情さに対しては、人間の知恵や勇気・力量では太刀打ちできないところがあります。厳格な力比べの世界において、少年が慕い・老人が諭すといった優しい気持ちの繋がりに、わたしたちは慰めを感じ、そこで人は救われるのだろうし、そして、元気にもなれるのだろうと思いました。
(2022.05)
CM
最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。