コニー・ウィリス「航路」(上)1/2
あらまし
マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっていた認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。NDE(臨死体験)を人為的に発生させ、その時の脳の活動を詳細に記録しようというのだ。しかしその実験にはトラブルが続出し、被験者が不足してしまう。ジョアンナはみずからが被験者となることを申し出るが、彼女が擬似臨死体験でたどり着いた場所は……!?(文庫本裏表紙より)
よみおえて、おもうこと
雑感・私見レビュー:★星1
《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》
本書は、臨死体験の強い関心や動機、時間の余裕やこころのゆとりがなければ、また、マユツバ的テーマでもあり、現在までのところ、冗長・退屈・いらだちを感じざるを得ません。
上巻の半分となる14/28(1-328ページ)かけて、人為的な臨死体験研究の被験者不足に陥り、主人公自らが実験台に志願するまでしか進みません。
今後の展開に期待し、まずは備忘メモしました、参考まで。
・リチャード・ライトは、臨死体験を蘇生の際の神経科学的な現象の副作用と考えるなど、死のプロセスを解明することで、逆に蘇生術に応用しよう(サバイバルメカニズム)と、投薬後の被験者の脳内スキャンによる部位や伝達物質の特定などを行う再現実験の研究中です。この際、被験者が臨死体験なのか幻覚なのかの判別を面接調査によって行うのが、主人公ジョアンナ・ランダです。
・判別の方法は、臨死体験の10のコア要素:①体外離脱、②音、③トンネル、④光、⑤死んだ親族、⑥天使の光、⑦平和と愛の感覚、⑧人生回顧、⑨全宇宙的な知識の授与、⑩帰還の命令、と合致するかどうか。
・主人公のジョアンナ・ランダは、臨死体験でのメッセージには何か含まれるものがり、その解読をしようとしており、協力をすることになります。
・しかしながら、募集していた被験者の不適格や辞退が相次ぎ、先行きが見通せないなか、さらに正当な科学研究であることの経過報告を理事会から求められたことから、ついに、ジョアンナ・ランダが被験者となります。
(2021.07)
CM
最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。