林真理子「不機嫌な果実」
あらまし
三十二歳のヒロイン、水越麻也子は、結婚六年目の夫に不満を抱き、昔の恋人野村と不倫の逢瀬を重ねていた。だが歳下の情熱的な音楽評論家、通彦との恋愛で、麻也子は大きな決断を迫られることになる…。「不倫」という男女の愛情の虚実を醒めた視点で描いて一大社会現象を巻き起こし、TV・映画化された、恋愛小説の最高峰。(文庫本裏表紙より)
リンク
よみおえて、おもうこと
雑感・私見レビュー:★星1
「自分だけが損をしている」
暮らしは豊かになったけれど、こころは、依然としてさもしい。これにあわせて生じる、激しい思い込みや身勝手さ、さらに強い生理的欲求に対して、際限なく満たしていくさまは、とても痛々しく感じる。
まあ、このように煎じつめれば、悪い読後感でもない。(2019.11)