キジしろ文庫

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龍造寺慶、田上嘉一「弁護士ドットコムの「身近なトラブル相談室」 マンガで解決! セクシュアルハラスメント ~企業コンプライアンス編2~」

あらまし

 ありそうでなかったビジネス・実用コミックのリリースを目指す Futabasha Culture Comic Seriesの挑戦

一、ムダにマンガが面白い!

 本シリーズのマンガは、ただの図解イラストではなく、実際にコミック誌で活躍する執筆陣が本気で描いた“本格派青年コミック”です。本作も、マンガとしてフツーに楽しめるよう、壮大なサスペンスになっています。

一、圧倒的な情報量!

 本シリーズの解説ページは、単なるマンガのおさらいではなく、内容をとことん吟味した“本格的なハウツー本”です。本書の解説文も、実際の判例を提示しながらレクチャーする重厚な内容となっています。

一、堅い内容なのに一気読みできる!

 圧倒的な情報量を誇るため、マンガ、解説文ともに、とても文字が多いです。難解なジャンルでこの文字量だとすぐに挫折してしまいそうですが、サクサク読めるようにマンガと文章の構成を工夫しました。(単行本帯紙より)

よみおえて、おもうこと 

 雑感・私見レビュー:星1

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 本書の内容は、礼儀作法のマナーブックようなもので、堅苦しくなく、あっさり、ざっくりしているので、とっつきやすく、お手軽な感じで取り込みやすいと思います。また、使い回しとしては、やってはいけない集として、手元に置いておいて、気になったら広げられる本にもなれます。

1.セクハラにもいろいろパターンがあることがわかります。

 ①目や耳にする、触られるといった環境型、②エスカレートしたセクハラ行為に伴う報復行為である対価型、③性差・LGBTなどの差別の見地からの制裁型、④一方的思い込みによる妄想型(社内恋愛のもつれ)など。

2.全体の流れがわかります。

 ①まず、不快に感じる→意思表明または社内相談窓口など→調査・社内処分や組織改革・示談交渉や訴訟。②この際には、人的・物的被害の証拠品、目撃証言、当事者の会話録音などの証拠固めが大切になること。

3.その他

 痴漢疑いの際は、かつては「名刺を置いて素早く立ち去る」でしたが、今は、上記のような証拠固めを、現場で直ちに実行することが大切だと言っております!

 さて、マンガを見ての感想ですが、ダイバーシティといったグローバルな観点を持たないと、細事にこだわったり・見過ごしたり・見誤ったりをしそうになると思いました。また、冤罪被害の発生のみならず、さらに、ハニートラップや美人局のような、人の裏をかく手の込んだ犯罪可能性にも、留意しないといけないな、と思いました。

 以下は、本書前作のパワハラ編レビュー時と全く同じコメントを記します。

 このようなハラスメントといった正義や倫理を持ち出すといった、弱者側に潜む傲慢さ(弱者に正義ありという奇妙な転換、しかも多数となって(奴隷道徳))に留意しないといけないのだと思う。調子に乗って、個人攻撃となれば同類だし、求めるべき反省点や改善点などの真理を見失うことで、モノゴトを劣化させてしまいかねませんヨネ。(2020.07)

 では、また!