キジしろ文庫

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渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7」

あらまし

 京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって…。旅行は一気に波乱の予感。複雑な気持ちが渦巻き、答えを出せないまま八幡たちは京都へ。まちがっている青春模様は、まちがっているラゴフメ=恋愛模様を生み出すのか。TVアニメ化を直前にさらに盛り上がりを見せるシリーズ第7弾。 (文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 戸部が海老名さんにいよいよコクりたいので、そのサポート役を奉仕部は引き受けます。しかしながら、葉山、三浦さん、そして当の相手となる海老名さんすらも、恋の成否にかかわらず変わってしまうかもしれない、今の仲の良い友達関係を崩したくない、と思っています。この二つの矛盾する問題を、自爆方式(戸部が海老名さんに告白する瞬間に、比企谷八幡が割り込み、自らがウソの告白を行い、海老名さんから回答(今はムリ)を得ます。みんなの罪(身勝手な気持ち)を一身に背負うことができたので、落ち着くところに落ち着き、バラバラにならず、みんなはまとまります)を使うことで解決をしていきます。

 このような、より孤立や排除を深める解決方法(第6巻の文化祭時も同じ)は、ボッチならでは手法として成功しますが、雪ノ下雪乃由比ガ浜結衣からは歓迎されません。また、みんな仲良し関係を維持させたことは、ありもしない友達という幻想・虚構を否定し、クズのボッチを標榜する比企谷八幡としては、その心のうちに、葛藤が生じます。(2020.08)

 では、また!