キジしろ文庫

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森博嗣「人間のように泣いたのか?」

あらまし

 生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するために武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。 (文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:★★★星3

 生命の執着とあきらめがあることで、我々の世界構築がなされるが、このなかで、人間のもつ気まぐれや哀しみなどの不条理な感性が果たす役割は大きい。

    これらは、AIらがはじき出す争いも辞さない功利的な合理性とは相いれないが、そこを目指すのが共通思考なのかもしれない。

    人間とは、生きるとは、について、ストレートな表現ではなく、友情や愛情へと大きく舵を切った物語の意外性、ちゃらんぽらんこそが楽しく、そうかと膝を打った。要は、おもしろかったから良かったんじゃない。(2019.11)

では、また!