キジしろ文庫

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森博嗣「彼女は一人で歩くのか?」

あらまし

 ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。(文庫本裏表紙より)

よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:★★★星3

 なんかわからないけど、こまった、うれしい。

 この本が取り上げるテーマは、重いです。作中にある女性の言葉に、子孫が生まれなくなった、そして死ねなくなった、こうなるしかなかった、とあります。こうとは、これまでに経験のない、同じ人格が長期間存在する社会です。そして、生まれないのですから滅亡に向かっていく社会です。希望をもてず、宗教的な拠り所が必要になるのではないか、とも作中にはあります。さらに、既に存在しているウォーカロンと人間との関係も含めて八方塞がり、出口が見えません。欲求不満のまま、第二話へです。(2019.6)

では、また!