佐藤雅彦・菅俊一「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」
あらまし
人は、なぜそれを買うのか。安いから、質がいいから。そんなまっとうな理由だけで、人は行動しない。そこには、より人間的で、深い原理が横たわっている。この本には、その原理が描かれている。漫画という娯楽の形を借りながら。(本裏表紙より)
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よみおえて、おもうこと
雑感・私見レビュー:★星1
《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》
また人に差をつけることができそうです。ふだんやっていることをあらためて納得したり、そういう定説だったのかと感心したりと、本書は、いくつか覚えておくと、試してみたり、自慢げに蘊蓄が語れそうな内容です(罪の意識、新近効果、上昇選好、参照点依存性、偽薬効果など)。
このように、最前線の現場では、わずかのミスを防いだり、ちょっとの努力の差が、他者との勝敗を大きく左右することがあるのだと思います。
他方、お人好しとかキレイごとか言われそうですが、このような人の気持ちを裏読みして、自分の都合の良い方に誘導してしまうといった、欺き・騙し・出し抜くようなことなどに、少し後ろめたさ(背徳感)を感じます。
つまり、厳しい生き残りの競争原理の中の勝者となるには、悪く言えば、小手先のような対処療法や、他の知識やノウハウだったりとともに、さらには世のため人のために事をなすといったサービスの姿勢だったりをも備えておかないと、逆に足元をすくわれそうだとも思いました。
結論を述べますと、本書をこの大きさでこのハードカバーとすることが、読む段になるととても不便でしようがないのです。(2020.02)