キジしろ文庫

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スタニスワフ・レム「泰平ヨンの未来学会議」

あらまし

 地球の人口問題解決の討議のため開催される国際未来学会議に出席せんと、コスタリカを訪れた泰平ヨン。ところが、会議の最中にテロ事件が勃発。ヨンたちは、鎮圧のために軍が投下した爆弾の幻覚薬物を吸ってしまう。かくしてヨンは奇妙な未来世界へと紛れ込む……。レムがブラックな笑いでドラッグに満ちた世界を描きだす、異色のユートピアSF。アリ・フォルマン監督により映画化!(映画化名『コングレス未来学会議』)(文庫本裏表紙より)

 よみおえて、おもうこと

 雑感・私見レビュー:星1 

《以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。》

 以下は、簡単なとりまとめです、参考まで。

 コスタリカでの世界未来会議開催中にクーデターが勃発し、隣人愛誘導爆弾などが炸裂する中、その薬物を吸ったヨンは、下水道に逃げ込み難を逃れます。しかし、そこでは、以下のような幻覚によってマスキングさせることで、人口増加と氷河期の到来を迎えた文明の安楽死をさせようとする、貧困窮乏し劣悪醜悪な環境で医療や技術が退化し、行き詰った終末未来を垣間見ることとなります(阻止しようとしたところでコスタリカに戻りました)。

①逃亡時に負った不治の精神分裂病によって、未来の進歩した医療に任せようと、冷凍保存され、2039年、無事再生します。

②風変りだけど、便利な楽園未来

 草から得られる牛乳、武装解除、ロボット化(セイソピューター、シカンピューター、田産機、ショウコン、ハグレコン、ヨバイボット、タビガラスプター、ビッグ・デマゴプター、サーバピュータ)、取り外し自在の手、太陽光を送る給陽管、疾走機、デザインと色を変える服、人気投票による天候、3DTV、食べて読む本や知識、夢素を食べて見る夢、簡単な蘇生、試験かくじ引きによる子を産む権利、体形を変えられるモデル、足理学

③他方、幻覚を起させている薬物蔓延社会

 良心の呵責と労働意欲を目覚めさせる薬物を浸み込ませた督促状、代数錠、意識を二倍にするダブリン、ココロガワリン、オチツカセルニン、コンストラクトール、ポエマジン、潜闘剤、黒人が飲むと肌が白くなるシラコリン、クスリを使用する暗示をかけるアンジリン、ギゼンブリン、ヘラクレジン、悪意や狂気を満たすクスリ、カングリン、ワルクチン、ユメゴコチン、パラダイシン、ノンビリゼリー、アンタナンカキライン、ハヤクヤッテネール、献身薬、エンジェノール、パパゴロシロップ、イイアラソイン、クチゴタエール、オリアイン、キョウチョール、信仰布教薬(慈悲散、良心膏、罪過錠、免罪丸)、聖餐カリ、壊死軟膏、終末座薬、復活剤、極楽往錠、アクマン、イキジゴクール、イノリン、レボルタール、カゲキハセキグリン、ソドマストール、ゴモラミン、キノコドロップ、タンクニン、ウチジニン、バクダンニン、マスコン(点線状幻覚剤)、ネオスーパーマスコン

④これらの覚醒となる忘却剤、健忘錠、アンチフ

(2021.07)

CM 

 最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。

では、また!